これまでの研究概要

 

<微生物による光学活性化合物の生産法の開発と分子生物学的解析>

 

微生物酵素のもつ極めて優れた特徴のひとつである立体選択性を利用した、有用光学活性化合物(アミノ酸・ビタミン類等)生産法の開発を行っている。例として、酸化還元酵素によるカルボニル基の不斉還元を用いる、様々なキラルビルディングブロックの生産に成功している。また、不斉加水分解酵素を用いて、パントテン酸の合成中間原料であるパントラクトンの光学分割にも成功している。さらに、これらの反応を触媒する酵素についても精製・単離を行い、立体選択的反応機構等の酵素化学的研究・タンパク質化学的研究も行っている。

 

パントラクトン(PL)の酵素分割法の比較

 

(左)従来法 (右)ラクトナーゼを用いた酵素法

 

Fusarium oxysporumの生産する新規ラクトナーゼの結晶

 

本酵素は、低イオン強度の緩衝液中で容易に結晶化し、六角柱状の結晶が現れる。

パントラクトンの他にも、アルドン酸ラクトン類に対しても立体選択的開環反応を触媒する新規な酵素である。

 

アルギン酸カルシウムゲルに固定化したFusarium oxysporumの菌体

 

培養菌体をアルギン酸カルシウムゲル中に固定化し、パントラクトンの酵素的分割反応に用いる。

直径は、約3mmである。

この固定化菌体を用いた場合、100回以上の使用に耐え得る。

 

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